エデュース 学校経営研究所ブログ

【開催報告】 『第2回大学ミッション経営研究会』

イベント開催報告

2015年10月19日

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去る10月16日(金)中央大学駿河台記念館にて
エデュース学校経営研究所・大学マネジメント研究会後援にて
『第2回大学ミッション経営研究会』が行われました。
 

開催概要

 
日時:2015年10月16日(金)
   18:30-20:45  ※終了後、情報交換会開催
会場:中央大学駿河台記念館 3階 310号室 (アクセス:JR中央線 「御茶ノ水駅」徒歩3分)
 
講演① 事例紹介 『立命館におけるミッション経営と意思決定』
学校法人立命館 東京キャンパス 所長 塩田 邦成 氏
 
 
講演② 事例紹介 『21世紀の大学に求められる教育の質保証 ~世界最高水準の教育をめざして』
学校法人玉川学園 理事(高等教育機関担当)菊池 重雄 氏 
 
 

 研究会の様子

 
第1部として学校法人立命館 東京キャンパス所長 塩田邦成様をお迎えし、『立命館におけるミッション経営と意思決定』と題して学校法人立命館の事例をご紹介いただきました。
冒頭では大学のご紹介に続いて、戦後から高度経済成長期を経てグローバル時代へと、大局的な時代の変遷と共に立命館大学がどのように歩んできたか、系譜を紐解きながらご説明いただきました。「100周年をあっと驚く方法で迎える/突拍子もない大学を作る」という塩田様の言葉にも表される、シンポリックな「立命館アジア太平洋大学」の設立だけでなく、キャンパス移転・学部新設などで時代の要請に応えていった立命館大学が、どのような中長期計画・意思決定フローの元に施策を実行していったのか。そこには1960年からの第1次長期計画に端を発する「長期計画方式」がミッション経営の核として存在していました。1970年代には一時的に志望者が減り、「関関同立」から外れてしまいそうな危機的な状況があった立命館大学も、1984年頃からは本当の意味での「ミッション経営」と呼べる、高等教育のあるべき姿にまで思いを寄せた志の高い計画が策定されていったそうです。
 
なかでも、参加者から特に印象に残ったとの声が多く聞かれたのは、「全学合意システム(全学協議会システム)」という1950年代から綿々と続く会議体の存在と、そしてそれを維持してきた組織文化についてでした。他にも、年に2回「政策レビュー」として、教職共同で1日がかりで行う徹底議論の場を実現しているとのことです。また長期計画を策定する「長期計画委員会」では委員に中堅・若手層の教職員を登用することでミドル層を育て、経営マインドを持った教職員層がトップを現場の階層間調整を担っているという点も、参加者の関心を大いに集めました。
現在2011年から2020年までの中期計画(R2020、APU2020)に取り組まれているという立命館大学・立命館アジア太平洋大学。組織の寿命が30年と言われている中で、大学は今新たな組織モデルに向かって転換が求められているフェーズであるとのこと。『秀逸なマネジメントこそ大学改革に資する』とまとめられた事例紹介は、参加者からも非常に勉強になったとの声が寄せられました。
 
 
第2部は学校法人玉川学園 理事(高等教育機関担当)菊池 重雄様をお迎えし、『21世紀の大学に求められる教育の質保証 ~世界最高水準の教育をめざして』と題して、玉川大学における教育の質保障についての取り組みを軸に、それを実現するための組織内コミュニケーションについてご紹介いただきました。
 
「Tamagawa Vision 2020」の中で、「グローバル社会に通用する人的資本の形成―質の高い教育の実現」に取り組まれている玉川学園。様々な側面から相互補完的に「質保証」に取り組まれていますが、今回の講演では特に『教授主義から修得主義への転換』を実現する玉川大学の改革をご紹介いただきました。玉川大学では、時代・社会が「学生の主体的な学び」を求めていることを受けて、カリキュラム再構築にとどまらず、卒業時GPA2.00の制度化/セメスター履修16単位の制度化を行いました。また、2014年には「大学教育棟2014」を大胆な投資によって建設し、学生が1日8時間勉学に取り組むための環境づくりを進めていったとのこと。また、そのような質保証をDMAIC(『シックスシグマ』と呼ばれる継続的な改善活動のフレームワーク)とPDCAの併用によって行っているとのことでした。
後半は質保証の背景となるマネジメント体制について、大学改革における対話の重要性を指摘し、トップと現場をつなぐMiddle up down方式によるビジョンの伝達や、フェアプロセスの三原則などを通じて、大学改革の実現を支えるコミュニケーションについて紹介。教員がビジョンの実現のために教育姿勢まで変えうるような自発的協力を生み出すための施策を解説していただきました。
 
 
第2回の開催となりましたが、前回からの継続参加の方もおり、志高い方々に恵まれた実り多い研究会となりました。ご参加の皆さまには心より御礼申し上げます。
 
今後もエデュース学校経営研究所では、「大学ミッション経営研究会」を継続的に開催して参ります。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
 
 

今後のスケジュール

 
第3回 大学ミッション経営研究会
11/20(金)  18:30~20:45 (21:00より近隣店舗にて情報交換会を予定しております:
2時間程度・途中退席も可能です)
お問い合わせ・資料請求はこちらから受け付けております
電話:03-5809-3191(受付時間/9:00~18:00(土日祝除く)
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