【開催報告】 『第3回大学ミッション経営研究会』
イベント開催報告
2015年11月24日
去る11月18日(金)中央大学駿河台記念館にて
エデュース学校経営研究所・大学マネジメント研究会後援にて
『第3回大学ミッション経営研究会』が行われました。
開催概要
日時:2015年11月18日(金)
18:30-20:45 ※終了後、情報交換会開催
会場:中央大学駿河台記念館 5階 570号室 (アクセス:JR中央線 「御茶ノ水駅」徒歩3分)
講演① 事例紹介 『小規模地方大学の経営』
学校法人享栄学園 鈴鹿大学 理事長 垣尾 和彦 氏
講演② 事例紹介 『神奈川工科大学におけるミッションとその実現について』
学校法人幾徳学園 神奈川工科大学 専務理事 谷村 浩二 氏
研究会の様子
第1部として学校法人享栄学園 鈴鹿大学 理事長 垣尾 和彦 様をお迎えし、『小規模地方大学の経営』と題して学校法人享栄学園の事例をご紹介いただきました。
2011年より学校法人享栄学園に常務理事・法人事務局長として就任し、2013年より理事長を務められる垣尾先生。大学・短期大学・高校3校・中学1校・幼稚園を擁する享栄学園を、3つの法人に分割し、「享栄学園グループ」として再編成。緩やかな協力体制を取りながらも独立した法人として大胆に改革されました。また、現在は「鈴鹿国際大学」から「鈴鹿大学」に名称を変更し、地域に密着した大学として、学外だけでなく学内へも強くメッセージを発信されています。
三重県は人口約180万人。高等教育機関は国立三重大学を含め7校の大学と短大3校・高等専門学校3校しかなく、三重県内の高校生の約8割が愛知県をはじめとした他の都府県に流出してしまうのが現状です。そのような厳しい外部環境の中ではありますが、鈴鹿大学(旧鈴鹿国際大学)では、第1期の経営改革ではガバナンスの確立とコンプライアンスの見直し、法人改革、教学組織改革を行い、第2期経営改革としては経営力・募集力・教育力・就職力というキーワードの中にそれぞれ具体的な目標を置いています。経営計画の策定プロセスとしては、「将来構想委員会」で議論するものの、原案としては理事長自ら執筆されているとのこと。トップダウン型ではありますが、十分に議論の機会を設け、繰り返し説明会を開き、何度も現場に説明をし情報を共有しながら進めているとのことでした。
学園を維持していくためには改革をせざるを得ない、不断の努力が求められる中で、「倒れるなら出来ることを全てやってから、前のめりで倒れましょう」とあらゆる施策を次々に実行されています。その実行力や大胆な施策には、会場からも驚きの声が寄せられました。
第2部は学校法人幾徳学園 神奈川工科大学 専務理事 谷村 浩二 様をお迎えし、『神奈川工科大学におけるミッションとその実現について』と題して、神奈川工科大学の事例をご紹介いただきました。
大洋漁業(株)(現マルハニチロ(株))社長・大洋ホエールズオーナーの中部謙吉氏によって創立された神奈川工科大学。社会・組織の中核となる人材育成をミッションとし、建学の理念を現代にまで受け継いでいます。「すべては学生のために」と、ともすれば当然とも思われるキャッチコピーを中心に、「学生本位主義」を貫いているとのこと。そのような経営的背景を持つ幾徳学園・神奈川工科大学におけるミッションの具現化としての事業計画と中長期計画の策定について現状をご紹介いただきました。
参加者の関心を集めたのは、ほぼ毎週開催されているという理事会。「定例理事会」「全体理事会」「担当理事連絡会議」など、参加者の幅を変えながら、問題意識の共有と迅速な意思決定を実現しているとのこと。専任の理事が密に連絡を取り合い、戦略的経営を強化し、改革推進の中心として理事会が存在するという経営体制は、アンケートでも興味深いとの声が上がりました。弊所特別首席研究員の本間からも、専務理事がプロフェッショナル集団として理事会を運営しているケースは少ないのではとのコメントがありました。
また、野球に縁ある大学ならではの立派なスタジアムや、9~10競技が同時にできるアリーナ、学生が授業とは別に自分でやりたい研究・製作を行える「KAIT工房」、2015年3月竣工の看護医療等など施設設備についてもご紹介いただき、参加者からは計画的なキャンパス整備の賜物と、非常に参考になったとの声が寄せられました。
第3回の開催となりましたが、少人数ながら中身の濃い勉強会となりました。
ご参加の皆さまには心より御礼申し上げます。
今後もエデュース学校経営研究所では、「大学ミッション経営研究会」を継続的に開催して参ります。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
今後のスケジュール
第3回 大学ミッション経営研究会
12/18(金) 18:30~20:45 (21:00より近隣店舗にて情報交換会を予定しております:2時間程度・途中退席も可能です)